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Published on 4月 24th, 2013 | by サイエンスらいおん事務局

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高齢者の移動を手助け ―燃料電池カート開発中―

サイエンスらいおん実践講座 レポータコース 記事作成クラス 第1期生(平成24年度受講)
橋本直美さんの作品です。

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橋本直美さんの作品

 

帝京大学機械・精密システム工学科の青木昭夫准教授は、水素燃料電池カートの開発を進めている。二酸化炭素(CO2)を排出せず、手軽でコンパクトなこの乗り物は、自然公園や遊園地など小規模エリアでの活用が期待される。青木准教授は「子供やお年寄りの 移動を楽にしたい」と実用化を目指している。
青木准教授は現在、2台 の水素燃料電池カートを開発しており、1台は時速5〜7キロ、もう1台は時速30キロのスピードを出すことができるという。
これらの水素燃料電池カートでは、水素の車載に水素吸蔵合金を、燃料電池に固体高分子形を使用している。「水素吸蔵」の文字 通り、特殊な合金に水素がたまるといったイメージで、そして水素吸蔵合金に熱を加えると、貯蔵されている水素が放出される。この水素と空気中の酸素から発電される仕組みだ。ガソリンと違い、CO2を排出しないことが最大のメリット。
水素吸蔵合金は、車の奥に取り付けられるバッテリーに比べ取り外しが簡単で、水素が貯蔵されたものと交換すれば良いという点も特長だ。
一方、水素吸蔵合金自体とても重いというデメリットがある。これについて青木准教授は「低重心にすれば転倒しにくい。デメリットも目的や用途によってはメリットになる」と説明。重さを安定感につなげ、環境にも優しい「安全安心な乗り物」として、自然公園や遊園地などでの活用に期 待を寄せる。
このほか、市販の原付バイクにモーターを取り付けたハイブリッド型原付バイクの開発も行っている。モーターとエンジンの使い分けによって排気ガスの排出量を少なくする。世の中に何千台もある既存の原付バイクを、新しく買い替えることなく活用する点もポイントだ。
これら二つの開発について准教授は「CO2の削減は急務。研究開発を進めることで社会貢献につなげたい」と話している。




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