ホログラフィーが拓く高度情報化社会 ―次世代大容量光メモリー開発!―
サイエンスらいおん実践講座 レポータコース 記事作成クラス 第1期生(平成24年度受講)
水沼明子さんの作品です。
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水沼明子さんの作品
昨年12月26日、宇都宮大学オプティクス教育研究センターにて、センター長の谷田貝豊彦教授に、ホログラフィーに関するインタビューを実施した。
教授がホログラフィーを研究することになったきっかけは、大学3年の時にホログラムを見て興味を持ったことからだそうだ。
取材の最初に、何もない空間に自動車の像が浮かび上がるホログラフィーを、谷田貝教授に実際に見せていただいた。この装置で黒い半透明の板の向こう側には何もない。しかし、板の上からだと、赤い車の像をはっきりと見ることができるのだ。
こういうホログラフィーによる立体映像を見たことがある皆さんも多いでしょう。今、これを利用した「次世代大容量光メモリー」の開発が、宇都宮大学オプティクス教育研究センターで行われている。開発の目的は、情報量が爆発する高度情報化社会に呼応した大容量光メモリ技術開発を行うことである。さらに研究の背景には、膨大な量の情報への対応だけでなく環境対策もある。CO2排出削減対策を進めるために、アーカイブデータ保存に消費電力が少ない光ディスク利用をすすめていくべきだ。
図書館等でのアーカイブ保存は5年ぐらいで新しい記録媒体と交換しているそうだ。研究の目標は、記憶容量3テラバイト/5インチディスク、データ転送速度3ギガビット/秒、データ保持寿命10年以上だ。開発計画では平成30年度までに試作機能検証し製品化を目指しているが、巨大情報ストレージシステムの実用化には企業の協力が必要となってくる。関心を持つ企業を通じてニーズを把握し、さらにコラボレーションを組んで開発を加速したいと希望している。