イベント開催報告 02

Published on 6月 11th, 2022 | by サイエンスらいおん事務局

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2022年6月8日 サイエンスらいおんカフェ第110回(毛塚幹人さん)

※事前の広報内容はこちらです。
サイエンスカフェ110-チラシ

※宇都宮市立東図書館(サイエンスらいおん参加機関)による参考図書一覧[PDF]

今回のゲストは、宇都宮市出身で、財務省からつくば市副市長を経て、現在では栃木県内各地にて政策・まちづくりなどに取り組んでいる毛塚幹人さん。メディア等でも取り上げられる機会が多いこともあり、ご存知の方も多いかと思います。
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私とは高校の同窓生にあたるのですが、年が離れているためもちろん面識はなく、実は、以前のらいおんカフェに参加者として顔を出していただいたことがきっかけで知り合うこととなり、今回のゲスト登壇の運びとなりました。
100回以上経験しているカフェですが、このような縁からゲストになることもしばしばございます^^
参加者全員の自己紹介・近況報告の後、早速、毛塚さんからの話題提供へ。
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はじめに出てきたのは、レストランでの定食の写真。
毛塚さんが最近行かれた栃木県内のレストランで、行列ができるほどの人気店。昼時の混雑時に行ったため、受付をして車で待っているとそこに電話が・・・
その電話はお店からで「間もなくご案内できます」という内容ですが、音声は自動、更に「すぐに入れる状態ならば1を、少し時間がかかるようならば2を・・・」というアナウンスが流れてきたとのこと。
この一連の流れは、通常であれば店員が手動で行うところですが、それを自動化することにより、店側も調理や他のサービスなどに集中でき、客側も店の前にずっと待っている必要はなく、何ならちょっと近所に出たりするような自由度も与えられて、win-winな状態を感じられたとのこと。
これが正に今回のテーマである「自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)」に繋がるんだ、というエピソードとして紹介してくださいました。

今回のカフェでは、4つのブロックに分けて、非常に中身の濃い事例紹介等をいただきました。
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①地方自治体とDX

つくば市の事例として、子どもの貧困対策について紹介いただきました。子ども食堂や学習支援拠点の整備などとともに、市・教育委員会・学校などがそれぞれ持っているデータベースを連携させることにより、今まで見えてこなかったが実際は保護や対策が必要と思われる児童生徒が新たに浮かび上がってきた、といった事例もあったそうです。
DXとは何か?ということで、各省庁が示しているガイドラインや手順書などが存在していますが、実際の自治体の現場では、様々な困難があり、それらが悩みとして存在しているのも現状としてあるとのことです。
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②官民連携の仕組み

そのような自治体の悩みを少しでもハードルを下げて乗り越えやすいように、つくば市では様々な取り組みを試行していました。その根底には「実証実験としてスタートさせる」という考え方があったそうです。無償の実証実験として「つくば公共サービス共創事業」、有償での実証実験として「社会実装トライアル支援事業」という枠組みを設け、自治体や参画団体双方がより参入しやすい環境を整備していったとのことです。
実証実験の成功例として、スマホを活用した医療相談アプリを開発し、医師-市民間で利用してもらっていたものが、新型コロナウイルスの影響によって市内の全小中学校とも連携を開始し、学校現場での健康確認の集計の手間が大幅に軽減された、という事例がありました。
このような実証実験の枠組みは全国的に広がりつつあり、地域によって枠組みの意義や差別化などの試行が行われているそうです。
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③つくば市での取り組み

つくば市での様々な取り組みをご紹介いただきました。
市役所業務の効率化を目的にRPA[Robotic Process Automation]という、ソフトウェアロボットによる繰り返し業務の自動化を導入することにより、初年度に約80%の対象業務削減に成功しました。
市民サービス改善のために、電子申請《行かない窓口》、転入届デジタル化《書かない窓口》、窓口混雑回避《待たない窓口》などを導入されました。
また、データ活用のためのコミュニティとして、「オープンデータアイディアソン」というワークショップを学生・市民などとともに実施し、その場でソフト組み上げまでできた例もあったそうです。
この他、スマートシティ推進のために、国土交通省スマートシティモデル事業の実施やつくばスマートシティ協議会の設立、DX推進のために全庁的な体制整備を行うなどの取り組みを行ってきました。
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④動き方のポイント

ここまでに挙げてきた事例を進めるためには、いくつかのポイントがあるということです。

  • スモールスタート・・・それぞれの立場で小さく始められることから。モチベーションの高い部署や希望職員の登用など。
  • 弱みの補完・・・自分たちやその部署では出来ないこと・足りないことを把握し、必要なリソースをどこから導入するのかを見極める。
  • 強みを伸ばす・・・一方で、自分たちや部署が持つ強みも認識して、それらを伸ばしていこうという考え方。

以上の話題を一気にご紹介いただき(スライド50枚近くありました)、その後はチャットに寄せられた感想や質問などを一つ一つ、毛塚さんに拾っていただき、回答などをしていただきました。
最後に今後の毛塚さんの展望として、「色々な地域を丁寧に見て、地域の改革に伴走していきたい」というメッセージをいただき、幕を閉じました。
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ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

[文責:藤平 昌寿(とちぎサイエンスらいおん客員研究員)]

 

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