イベント開催報告 Snapshot

Published on 5月 7th, 2021 | by サイエンスらいおん事務局

0

2021年4月4日 サイエンスらいおんカフェ第97回(水上拓哉さん)

※事前の広報内容はこちらです。
サイエンスカフェ97-チラシ

今回のカフェは公開シンポジウム連動企画第5弾。
前回カフェと2週連続で、シンポジウム登壇者によるゲストということで、アフタートークをお楽しみいただきました。

ゲストは水上拓哉さん。
自治医科大学では今年度取り組んでいる、
JST-RISTEX 科学技術の倫理的・法的・社会的課題への包括的実践研究開発プロジェクト「技術構成主義」に立つ「生と死」をめぐる倫理の分析と社会的議論の啓発に向けた企画調査
のSTS(科学技術社会論)グループメンバーとしても活動されており、過日のシンポジウムでも講演をしていただきました。
シンポジウムでの発表はこちらの動画でご覧いただけます。
余談ですが、東京大学情報学環に所属されていた水上さん、このカフェの翌月からは理化学研究所に籍が変わられました。

今回は「ロボットの問題発言は誰のせい? ―ソーシャルロボットの倫理入門」をテーマとし、水上さんからの話題提供と質疑・意見交換を交えて進行しました。
Snapshot

初めに水上さんの自己紹介。ロボットやプログラミングが楽しかった幼少期から、心の哲学に興味を持つ学生時代に至った経緯をお話いただき、本題。大きく3つの話題をご提供いただきました。

  1. 「ソーシャルロボットの倫理、誤解されすぎ問題」
    • ソーシャルロボットって何?
    • ソーシャルロボットの倫理って?
    • それって役立つの?
    • 3つの「じゃない」
      1. SFじゃない!
      2. 事故対応だけじゃない!
      3. 開発の「制限」じゃない!
  2. ロボットの問題発言 vs 伝統的な倫理学
    • チャットボット「Tay」の事例
    • 「倫理的配慮」のポイント
    • 対応に追われる設計者「道義的責任はどこまで?」
    • ソーシャルロボットの「道徳的行為者性」とは?
  3. 必殺!抽象化方策~その光と闇~
    •  抽象化方策とは?
    • 関係論的転回
    • ソーシャルロボットの「良い」抽象化方策とは?

Snapshot_7
Snapshot_5
Snapshot_6

なかなか取っ付きにくいロボットと倫理の話題ですが、最近のトレンドなどを交えて、分かりやすく中身濃くご紹介いただきました。参加者からも多くの質問がございました。ゲストも参加者も専門的な話題を身近なモノに例えたりして、理解を深めようとする姿勢も垣間見えました。
Snapshot_4

人とロボットとの対話が進化しつつも、その内実や責任範囲が説明できないという現況について、人同士が考え、対話を進めるということ自体が、来たる未来の姿を模索する行為そのものであるなと、しみじみ感じた次第です。
Snapshot_3

技術死生学シリーズも次回で一旦区切りとなります。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

[文責:藤平 昌寿(とちぎサイエンスらいおん客員研究員)]

 

Tags:




Comments are closed.

Back to Top ↑
  • イベントカレンダー

  • Facebookページ


  • Twitter @tochigilion


  • 第8回公開シンポジウム講演ダイジェスト

  • エンジョイ!カガク!!2013レポート

  • アーカイブ