イベント開催報告 DSC_0668

Published on 10月 15th, 2017 | by サイエンスらいおん事務局

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2017年10月11日 サイエンスらいおんカフェ第58回(江口建さん)

※事前の広報内容はこちらです。

2回目のゲストとなる江口建さん。
帝京大学宇都宮キャンパスで、哲学などを教えている先生です。
前回は一般向けの哲学カフェを開催しましたが、
今回は「マザーズガーデン」とのコラボで大人も子どもも参加できる対話カフェに挑戦しました。
20170920-01_サイエンスカフェ58-チラシ

当日は平日日中ですが、宇都宮市をはじめいくつかの市町では公立学校が秋休み。
多くの親子の他、産まれたばかりお子さんをお連れになったり、間もなくお子さんが産まれる方まで、
幅広い方々が集まりました。
会場は定宿の下野新聞NewsCafe。
ジャパンカップサイクルロードレースが間近なため、部屋の中は自転車一色!
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最初は前回と同じく、簡単なルールの説明。
ルールを守っている限り、参加者は全員対等。
子どもも、大人も、先生も、生徒も、男性も、女性も、全く関係なし。
どんな話が出てくるかも全く分かりません。
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内容は・・・多岐に亘りました。
まずは共催したマザーズガーデンのブログをご覧ください。
私のレポートよりも雰囲気が良く伝わります。

ゲストの江口さんからもコメントをいただきました。(抜粋・編集しています)

今回のカフェでも(一見、単に賑やかだっただけのようにも見えますが)私なりに多くの気づきがありました。
私の予想を大きく超えていたのが、小学生の低学年の子どもたちが、ハイ!ハイ!と積極的に手を挙げて発言していたことです。
大人の問いかけに、答えたくてうずうずしているという感じでした。
答えたからといって、単位や良い成績がもらえるわけでもないのに、大人が口を挟む暇がないくらい、子どもたちのハイ!ハイ!という手が最後まで下がらなかったことが、驚愕でした。
その姿が、あまりに頼もしくて、そして、その意見が、案外面白くて、自分の仕事をすっかり忘れて、気がついたら聴くことに集中してしまっていました。
大人だったら、余計なことをいろいろ考えすぎて即答できないところを、子どもは、直感的に思ったことを、飾らない言葉で即答していたので(しかも、それが鋭い)、「ことばで物事を言い当てるとは、いかなることか」という認識論上の問題について、途中、考え込んでしまいました。

驚いたのは、子どもの最後の感想です。マザーズガーデンブログで触れていらっしゃいますが、
「哲学を知らなかったけれど、何をどんな順序で話すといいかを先生に教えてもらって、今日、少しできたような気がする」というコメント。
私は、そんなことを教えた記憶は全くないので、たぶん、お子さんが自分で感じ取ったのでしょう(笑)
これぞ、学び = まねび(真似び)。

中でも、心底驚嘆したのが、数人の子どもたちが、きちんと文章にして話していたこと。
いざ話すとなると、ゆっくりですが、しっかり構文を作って、意見を述べていましたね。ちゃんと頭の中で長い文章が組み立てられていました。
おそらく、普段の日常の中で、きちんと言葉で想いを伝える訓練をしているのではないでしょうか。
昨今のツイッター、LINE文化の中で、「単語」で会話する若者に、見せてあげたかったです。
いくら計算が早くても、いくら暗記が得意でも、言葉を正確に操れない子どもはたくさんいて(大人も・・・)、昨今の企業の人事担当者がよく言う「人間力」の育成とは何を意味しうるのかを、改めて考えました。
計算や記憶は、今ではコンピューターには敵いませんが、言葉だけは、今でもコンピューターが人間に勝てない領域の一つです。ご存知のとおり、これだけAIや人工知能が発達しても、ロボットに完全に搭載できない能力の一つが「言語」です。
したがって、「人間力」の一つは、「対話力」であると思っています。
企業の人事担当者の話などを聴くと、「最近の大卒者は、人間力が弱い」とよく言われます・・・。

これだけでも参加した皆さんにとっては、大きな収穫でしたね。
また、江口さんが対話中に取っていただいたメモを基に、どんな話が出たのか、その一部をご紹介します。(大:大人 子:子ども)

Q:大『どんなときに嬉しい?』
子「ほしいものを買ってもらえたとき」
子「知りたいことが知れたとき」
子「自転車で55km完走したとき」→どうして?→「達成感があったから」
子「山登りで、富士山を見たとき」
子「囲碁で昇段したとき」

Q:大『嬉しいとき、悲しいとき、怒っているときでは、何が違う?』
子「気分が違う」→「がんばったときは嬉しい」
子「暇なときや退屈なときは、嬉しくない」
大「ママは、気持ちを解かってくれたときが嬉しいな」

Q:大『どういう言われ方がいい?』
・やりなさい →×
・やってください →○
・自主的にやる →◎

Q:『(知識は「Siriで十分」という意見に対し)停電になったらどうする?』
子「三千円の辞書がある」

Q:『計算力は、なんのため?』
「人に騙されないため」
「梨を分けるとき」

Q:『やらなければいけないことがあるとき、どうする?』→『義務とは何か?』
・子どもから見て、親の義務とは?
・子どもたち自身が薄々感じているらしい、子どもの義務とは?(手伝い、勉強)

Q:「石集め」について
子「どうして石を集めているんですか?」→返答
子「ハイ! いつまで続けるつもりですか?」→返答
子「ハイ! 最終的にどうしたいですか?」→返答
子「ハイ! ぼくも海岸で収集してる・・・貝殻だけど」
子「へえー!」
子「へえー!」
内心、《この話題、いつまで続くんだ!?》と思いました(笑)
なんでそんなに石集めの話題に喰いついたのか、今でも謎です。

Q:子『何集めがいい?』
→「貝殻」(ネックレスなどを作る)

→子どもにとって「宝箱」
→大人にとっては、ただ「散らかっている」だけだが、子どもの中では配列がある。
→人は、「物」を収集しているように見えて、もしかしたら「想い出」を集めているのかもしれない。
→大「好きなものは、そばに置いておきたい」

Q:子『大人は、子どもに約束を守らせようとするのに、どうして大人は、子どもとの約束を平気で破るのか。』
Q:子『子どものお願いを大人は聞いてくれないのに、どうして大人のお願いは聞かないといけないの?』
→この子どもの真摯な問いかけに、大人は、逃げずに、真正面から答えられないといけない。

いかがでしょうか?
これらの話を含め、小学校低学年も居る中、2時間ぶっ通しで対話が行われました。
最初は浮足立っていた子どもも、徐々に落ち着いて対話の中に入っていきました。
心地良い対話の環境を作れさえすれば、
大人だけで話しているのと同等の内容(或いはそれ以上の成果)を、時として得られるのかもと思わせられる内容でした。

私自身も様々な場面で色々な子どもたちと関わっていますが、
幼児でも小学生でも「いつの間に!?」というような成長を見せるときがあります。
大人があまりレールを狭く敷きすぎず、崖から落ちないようにする程度(=環境づくり)にしておけば、
子どもにとって良い楽園(=心地良い場)のような気もしました。
(ボーリング場のバンパーレーンのような感じ?)

今回も宇都宮市立東図書館の書籍展示・貸出が行われました。
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ご参加いただきました皆様、ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。

[文責:藤平 昌寿(とちぎサイエンスらいおん事務局)]

 

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