2015年2月8日 とちぎサイエンスらいおん第3回公開シンポジウム「科学技術コミュニケーション」
2015年2月8日(日)に第3回とちぎサイエンスらいおん公開シンポジウムが帝京大学宇都宮キャンパスで開催されました。
今回のシンポジウムはサイエンスらいおんプロジェクト3ヵ年の総まとめとして「科学技術コミュニケーション」をテーマに開催し、約70名の方にご参加頂きました。
記念講演では、講師である渡辺政隆氏が体調不良で欠席ということで、代理としてお越し頂いた小川義和氏にお話し頂きました。
渡辺先生、小川先生のお二人は日本にサイエンスコミュニケーションを広めようと志し一緒に活動をしている仲間だそうで、講演の中で見せて頂いた写真の中にはお二人で映ってらっしゃる写真もありました。
高校1年生への質問 「30歳になったときに科学技術系の仕事に就いてると思いますか?」
すごくおもしろい質問ですよね。講演の中の最初の話題です。
世界各国の子ども達がどう答えたかのデータがありました。
日本人の場合、YESと答えたのは、なんと10%以下!!(一番高かったのはコロンビアで50%弱)
つまり、日本の高校生は、「科学技術は将来に結びつかない。」と思っているのが分かります。
日本人は、年を経るごとに科学技術への興味がなくなっている。その理由は何なのか。そんな話題から、講演がスタートしました。
講演の中では、上記したようなサイエンスコミュニケーションの背景にあるものや定義、必要性、可能性、活動の例などをお話し頂き、最後には「これからの社会に必要な能力」、「社会を生き抜く知恵」を身に付ける為のひとつとしてサイエンスコミュニケーションがあると締めくくられました。
講演の後には、「サイエンスコミュニケーション活動における話題提供」ということで、様々な機関から具体的な活動例をお話し頂きました。
その後の休憩を兼ねたポスターセッションでは、各機関の活動紹介ポスターを見ながら、各機関の方と参加者の方などが盛り上がっていました。
休憩&ポスターセッションの後は、「科学技術コミュニケーションが地域社会に根付くために」と題したパネルディスカッション。
ここでも、「なぜ大人になると科学への興味がなくなっていくのか」についての議論が交わされました。
パネラーのみならず、参加者の側からも積極的に意見が出ているのが印象的でした。
シンポジウムの最後には「とちぎサイエンスらいおんの今後」として、今後も形を変えつつも続いていくことを発表し、締めくくりとなりました。
シンポジウム終了後、ロビーにて軽食と飲み物を囲んで交流会を開催。
きっと普段は交わらないであろう方たちが、和気あいあいと盛り上がっている様子がたくさん見られました。
(写真は残念ながら無し。スタッフも参加者の方々と盛り上がってしまったのか、誰も撮っておらず。。)
今回、JST3ヵ年の支援中としては最後のシンポジウムでしたが、産官学でこんなに盛り上がって議論を交わしたり、仲良くなったりする場というのはすごく珍しいのだろうなと感じました。
そういった意味では、今までにはない新しいコミュニケーションが生まれたと感じます。また、こうした繋がりから新しい企画が生まれることで、サイエンスらいおんが目指し、今シンポジウムでもテーマにした「科学技術コミュニケーション」の推進が拡大していくだろうと感じました。
今後も、どんどん新しい人、新しい機関が繋がっていく場として、サイエンスらいおんが活躍していくと思うと楽しみです。