2013年10月18日 サイエンスらいおんカフェ第10回(大橋伸一さん)
▼テーマ・・・「土づくりから始まる自然環境農法と共生」
農業において、土や水、光などの管理は当然欠かせません。その中でも「土」に着目をしているのが、今回のゲスト、株式会社バイオ・グリーンの大橋さん。土中に存在する微生物と土・作物を敢えて共生させながら、安全な作物・収量増などを実現するために、日々、研究をされております。
▼話題提供者プロフィール
株式会社バイオ・グリーン会長
ウェブサイト http://www.biogreen.jp/company/kaisha.html
▼日時・会場:10月18日(金)18:00-20:00「プチ・プレリ錦店」
▼参加者:10名
■今回のゲストは、自然環境農法で有名な大橋さん((株)バイオグリーン会長、NPO法人自然環境農法研究会理事長)。参加者は定員通りの10名。宇都宮市プチプレリ錦店さんの2階VIPルームで開催しました。
■自然環境農法とは、アープ・トーマス・オルガ菌の働きを利用した土づくりが基本になる農法。トーマス菌によって土が変わる。サラサラ、フワフワ、団粒構造な土になる。サラフワな土だから、作物の主根だけでなく毛細根もしっかり根を張り、土のいい微量な栄養素を吸ってくれる。根がしっかり張れば、病気にも強くなる。などなど。
なぜ、土づくりが大切なのか。どうしてそういう土ができるのか。農薬って何?なぜ農薬を減らしていけるのか。そもそもトーマス菌って何?そのトーマス菌がなぜ土にいいのか。参加者の様々な疑問に笑顔で答えて頂きました。
■今まさに農業に取りくんでおられる方、これから農業をはじめる方、バイオ研究されている大学教授、企業の研究員の方、小学生、みなさん楽しくも真剣な雰囲気。
■話題は戦後から現在までの日本の農業の歴史の話に。実は日本にトーマス菌を持ち込んだのはGHQのマッカーサー、それを化学農法を推進したい日本政府が断った歴史があるとか(マッカーサーの回想記に記載があるそう)。
大橋さんがトーマス菌や自然環境農法に出会ったのち、これらを推進するに当たっての風当たりは、国や農家さんなどから相当強かったそうです。それでも確固たる覚悟のもと、美味しくて安全な作物が日本中で作られるようになるためやり続けてきたことなどもお話して頂きました。
■カフェの最後の頃には、実際に自然環境農法を取り入れている栃木県をはじめ全国の農家さんの事例を紹介。
例えば、いちご農家さん一反部(いったんぶ:農地面積の単位)の収穫量は平均で4.3tほど。うまい人でも5t。それが自然環境農法を取り入れたあとに、7.5tになった人がいるそう(これは栃木県内の農家さんの事例で、みなさん農家さんの名前を聞いてメモをとっていました)。
また、高級デパートに果物を卸せる農家さん、テレビで紹介されるような農家さんなどに大橋さんの指導先がたくさんあるようでした。
これからの日本で、ますます大切になっていく農業。その農業の未来って明るいなと思えたり、たくさんの農家さんがどんどん元気になってく様子が聞けたり、その理由をたくさん聞けたエキサイティングな時間になりました。
<カフェのその後>
あの日参加した方が、その次の日に大橋さんのところへ遊びに行っていたり、仲間を連れて農法の勉強に行った方がいたようです。そういう後日談が聞けるって嬉しいなぁと思いました。